時代の変遷に添う公平な福利厚生のあり方とは

JR九州

業種:鉄道業
規模:5,001名以上
1987年4月に日本国有鉄道の分割民営化により発足して以来、鉄道を中心に九州のまちづくりを担ってきた九州旅客鉄道株式会社。
事業の拡大や働き方の多様化に沿うかたちで福利厚生が見直され、昨年2019年4月より、新しい福利厚生としてベネフィット・ステーションが導入されました。
JR九州の発足以降、長らく運用されてきた福利厚生制度を変革するに至った経緯について、九州旅客鉄道株式会社、執行役員人事部長の三浦 基路様にお話を伺いました。
課題
  • ワーク・ライフ・バランスや人材の多様化などに合わせて働き方改革を進める中、より柔軟で社員個々のニーズに沿った福利厚生制度を検討していた。

  • 不動産事業を中心とした業務拡大に伴い、九州外に勤務する社員も増えつつある状況において、社員が幅広く活用できるよう福利厚生サービスを拡充する必要性があった。

ベネフィット・ステーション
選定・導⼊のポイント
  • サービスメニューや利用施設が豊富だった。

  • 補助額構成の組み替えなど、会員のニーズに沿ったプラン構成が可能。元々需要のあった映画関連のメニューに対して、補助額を手厚くできた。

  • 従前の契約施設について、福利厚生制度の切り替えに伴い利用できなくなるのでは、という懸念があった。いくつかの施設については、ベネフィット・ステーション導入後も利用できるよう契約を引き継ぐことができた。

ベネフィット・ステーション
導⼊後の反応・今後期待する事
  • 会員の利用件数が、前年度から倍増しており、一定の成果が得られている。

  • 利用ニーズの高い「映画」などの割引率が上がった。

  • 潜在需要層へニーズを引き出すようなプランを今後も提案して欲しい。

既存の福利厚生制度を働き方の多様化に沿うかたちへ

――ベネフィット・ステーションを導入いただく前は、どのような福利厚生制度を運用されていたのでしょうか。

三浦:九州内のレジャー施設や宿泊施設などと直接契約を結び、施設利用の際に受けられる割引制度を運用していました。社内のイントラネット上で利用したい契約施設を選び、利用者本人が事務局へ申し込む仕組みです。
いわゆる紙ベースの割引補助券ですね。社内便を利用するため、割引補助券を受け取るまでに数日かかる、利用できる施設の選択肢が少ないなど、使う側の社員にとっては利便性に欠ける部分もありました。
各々の施設と契約を結ぶ形での運用だったため、新規開拓はなかなか難しく、うまくいっても施設数が増えれば管理作業も煩雑になるわけで、実務担当者の業務負担も課題でした。
結局、選択肢の目新しさもないため、利用者がだんだん限られてしまう。そのような流れが10年、20年と続き、福利厚生の仕組みとして機能しづらい状況になっていたと思います。

――20年以上続いていた福利厚生制度だったのでしょうか。

三浦:JR九州発足当時からの制度なので、数十年の間、基本的には同じ仕組みで運用されていたと認識しています。
昨今の働き方や人材の多様化など、企業人事を取り巻く環境が変化する中、当社においても様々な改革を進めてまいりました。業務の効率化やワーク・ライフ・バランスが重視される時流は、長年続いた福利厚生制度を見直すタイミングとして適当だったと思います。
また、不動産事業をはじめとした事業の拡大に伴い、九州外に勤務する社員が増えたため、全国各地で利用できるサービスを必要としていた、という背景もありました。

既存の契約施設の引継ぎと地域を問わない利便性

――福利厚生の新しい仕組みとして、ベネフィット・ステーションを選んでいただいたポイントについて教えていただけますか。

三浦:ベネフィット・ステーションを選定した理由として、全体のサービスメニューが充実していたこともありますが、利用者数の多いメニューに合わせて、プランを構成いただけたことですね。
当社の場合、元々紙の割引補助券を発行していた時代から「映画」の利用が多い状況でした。
社員からのニーズの高い映画についてご配慮いただき、サービスを手厚くしていただけた点が大きかったと思います。

――数十年続いた福利厚生制度を変えるにあたり、懸念はありましたか。

三浦:そうですね。以前の福利厚生制度で利用していた施設の中には、JR九州グループ内の企業や、関連会社が運営する施設が多く含まれていました。
ベネフィット・ステーションを導入した場合、JR九州グループと関わりの深い既存の施設を、どの程度ラインナップとして引き継いでもらえるのか、という懸念はありましたね。

――実際に導入された際、既存施設の引継ぎはスムーズに行われましたか。

三浦:施設側の事情もあり、全ての施設を引き継げた訳ではないですが、可能な限り引き継いでいただけました。導入の過程で、既存の契約施設の移行について柔軟に対応いただけたのはありがたかったです。

――ベネフィット・ステーションの導入後、社員の方の反応はいかがでしたでしょうか。

三浦: 2019年4月から正式に導入したのですが、コロナ禍の影響もあって社員の反応やフィードバックを十分には把握できていないかもしれません。とはいえ、2018年度は約28,000件だった施設利用件数が、2019年度には約57,000件と倍増しています。
以前の制度は、利用したい社員からの申請を待つ「受け身の福利厚生」でしたが、現行の制度ではLINEやメールを通じてベネフィット・ワン様から情報発信をしていただけるので、「攻める福利厚生」として運用できている点がいいですね。
全国各地に出向中の社員でも使えるサービスが拡充されて利便性が高まったことも、利用件数増加の実績に繋がっていると思います。

――ベネフィット・ステーションを約1年半運用いただいて、現在感じていらっしゃる課題や、今後の要望などについて教えていただけますか。

三浦:まずは、利用者の幅を広げたいですね。今はまだ、頻繁に利用している層に偏りがある状態です。映画やレジャーへの利用は依然好調ですが、これは導入前からある程度予測できていたことです。
むしろ、今まで予測していなかった、潜在的な需要を掘り下げたいと考えています。例えば、ベネフィット・ステーション導入後、利用数が多い飲食店の傾向を確認できました。これは以前の福利厚生制度を運用していた頃には把握していなかった需要ですね。
使いたい人だけが使える福利厚生ではなく、今まで福利厚生制度をあまり利用していなかった層にも関心を向けてもらえて、利用が増えていくような、アドバイスやご提案をいただけるとありがたいです。

今後数年は健康経営への取り組みに注力

――福利厚生制度に関して、今後新たな取り組みがあれば教えていただけますか。

三浦:世の中の流れとしてESG戦略が重要視される中、社員の健康増進に関する施策は引き続き推し進めていきたいですね。
これは当社だけの活動ではなく健康保険組合で主催しているものですが、「みんなで歩活(あるかつ)」というイベントを行っています。
数人でチームを組んで、アプリでカウントした歩数を競い合うウォーキングイベントです。春と秋に一か月間ずつ、ですから年に二か月間は意識して「歩く」ことが増えるわけですが、これがきっかけで期間中に限らず歩くことを心がけるようになった社員も多いと感じます。JRの社員は体を動かすイベントが好きな方が多いように思いますね。
健康増進についても、ベネフィット・ワン様に協力いただきながら、ベネフィット・ステーションの仕組みをうまく活用できればと考えています。

――健康経営についての取り組みを強化されるということでしょうか。

三浦:そうですね。JR九州だけではなく、JR九州グループ全体のESG戦略として、健康宣言を掲げる時期といえます。
社員が健康に働ける労働環境や組織作りが最終的な目的ですが、健康経営の見える化という意味で客観的な条件をクリアしつつ、健康経営優良法人認定のような評価を得ることが、数年内に目指すべき目標であると考えています。

社員全員に平等な福利厚生制度を目指して

――福利厚生制度の運用や拡充について、どのような点が重要だと思われますか。

三浦:福利厚生の基本的な考え方として、組織全体に対して利益が平等に還元されることが重要です。ベネフィット・ステーションも、基本的に社員全員が対象になっています。

――正規雇用、非正規雇用に関わらず同じ福利厚生の内容が受けられるのでしょうか。

三浦:当社では、従来有期雇用であった契約社員を、2018年度より勤続年数に関わらず無期雇用化しました。勤務地や業務内容の範囲に違いはありますが、基本的に社員は正規雇用ということになります。
地域限定で働く社員の方でも、活躍の場を広げたいと考えれば、勤務地や業務の幅を広げるための登用制度を用意しています。
もちろん、仕事の幅を広げるだけが幸せではありませんから、限られた地域限定、例えば地元や自宅近辺から離れずに働きたい人は、そのまま働き続けることも可能です。
全ての社員が同じ福利厚生制度の対象であるだけでは、享受できる恩恵が必ずしも平等であるとは言えません。
社員一人一人の趣味嗜好やライフスタイルが多様化する中でも、全員がなるべく均等に恩恵を受けられるような制度の運用と拡充が、JR九州の福利厚生として目指すべき姿だと思います。

――三浦部長の考えるJR九州とはどのような組織でしょうか。

三浦:採用の際もよく言うことですが、誠実な人柄を重視する組織です。誠実さはどんな組織にも求められる素養だと思いますが、「誠実」という社風を疑うことなく素直に受け入れ、行動につなげていこうとする人材が多い会社だと思います。私はその点を評して「いい人が多い会社」といつも言っています。
急激な革新や変革を行うことで世界の最前線を突き進んでいくような尖った組織というよりは、必要な改革は推し進めながらも地域の発展や原風景の保存など、地元との調和を第一に考えていくところがJR九州の魅力だと考えています。

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