70歳まで安心して働ける職場づくりを目指す。
同一労働同一賃金制度をいち早く取り入れた人事制度改革!

エフコープ生活協同組合

業種:卸売業・小売業
規模:1,001名以上
「同一労働同一賃金」の施行により、多くの企業が非正規労働者の待遇改善へ向けた取り組みを進めています。
一方で、コロナ禍と同一労働同一賃金への対応が重なったことによる企業側の負担増でお困りの企業様もいらっしゃるかと思います。また、あくまで先日の事例での判断として、非正規労働者への賞与や退職金の不支給を「不合理な待遇格差ではない」とする最高裁判決が出た事などにより、賞与や退職金について、あらためて非正規社員に対して支給するのかを検討する必要も出てきました。

地域に根差した事業を展開する「エフコープ生活協同組合」では、政府の働き方改革に先駆けて人事制度改革による「同一労働同一賃金」を実現し、離職率の改善等様々なプラスの効果を生み出し経営状況の大幅な改善という成果を上げています。

今回のインタビューでは、大規模な人事制度改革に至った経緯や、改革によって得られた成果などについて、エフコープ生活協同組合人事部人事企画課課長の竹下 哲哉様、総務課の吉村 純子様にお話を伺いました。
課題

・離職率の高さや新卒定着率の低下

・特定世代の人材不足による世代間ギャップ

 取り組み内容と施策のポイント

・同一労働同一賃金制度の採用

・同一福利厚生制度の採用

・70歳までの定年延長

・女性の活躍や子育て支援の強化

人事制度改革による効果と
今後の課題

・ 離職率が15%から7%まで減少

・スタッフ定着率の改善による世代間継承ジョブローテーションの円滑化

・職場運営の安定により、商品利用者の満足度の向上

ベネフィット・ステーション
導入の決め手

・事務作業や管理コストの削減

・サービス数が豊富で幅広い年代の従業員が使える

すべてのスタッフが安心して働ける職場づくり

——まずは貴生協の事業概要について教えてください

竹下:エフコープ生活協同組合は、1983年に設立された組合員数51万人の生活協同組合です。事業エリアは福岡県全域で、実店舗15店舗、ご自宅に商品を配達する宅配支所16か所にて事業を展開しています。
また、福祉事業として介護施設や放課後児童クラブを運営する他、共済や保険など、組合員のくらしを支えるさまざまな商品やサービスを提供しています。

——ワーク・ライフ・バランス推進のために、安心して働ける職場づくりに注力されているそうですね。具体的な取り組みについて教えてください。

竹下:最近の働き方に関する取り組みとしては、2017年より定年を65歳から70歳へ引き上げました。一年あたり50人のペースで、60歳以上のスタッフが増える現状を反映した施策です。
60歳以降は、自分の趣味に生きたい方、介護のため家族に時間を割きたい方など、働き方の多様性が求められます。スタッフ一人一人のライフスタイル、ライフステージに合わせて柔軟に働けるように制度を変更しました。
また、2019年4月から2年間の計画で、次世代育成支援対策を行っています。目標は、すべてのスタッフにとって働きやすく、能力を発揮できる職場づくりです。
私たちの組織では、配達業務や店舗での勤務など、ある程度の体力や力仕事が必要です。まずは女性が生き生きと働ける環境を目指すことが、男女ともに働きやすい職場づくりの第一歩と考え、女性活躍推進や育児に関する取組みを行っています。
取り組みの例としては、女性スタッフ向けの交流会や学習会の実施です。新卒・キャリア採用後、仕事を通して組織に貢献し、人として成長できるよう入協年数に応じた定型教育研修を行っています。

——育児についてはどのような取り組みをされていますか。

竹下:配偶者出産特別休暇や育児時短制度などの取得推進を進めています。女性スタッフの取得率は毎年順調に上がっている他、男性スタッフが配偶者出産特別休暇を取得する事例も増えつつあります。
また、スタッフのお子さん向けに「ファミリーデイ」という職場参観、職場体験を実施しています。
配送トラックの助手席に同乗して配達業務を手伝ってもらったり、書類整理などのオフィスワークを体験してもらったりする取り組みです。また、お子さん一人一人に名刺を作り、名刺交換体験も行います。両親の仕事について理解を深めると同時に、社会人の入り口を体験する、という趣旨です。

——ユニークな取り組みですね。職場内での評判はいかがでしょうか。

竹下:好評だと思います。家での姿と職場でのギャップに感心された、という感想が多いですね。ファミリーデイが楽しみで、3年連続で参加されたお子さんもいらっしゃいます。
今年は残念ながら新型コロナウィルスの影響で開催出来ていませんが、来年以降はまた実施したいと考えています。

大規模な人事制度改革と同一労働同一賃金

——同一労働同一賃金について伺います。取り組み自体はいつ頃から始められたのでしょうか。

竹下:フルタイムスタッフの賃金は、2002年までは、年齢給・勤続給・職能給・住宅手当・食事手当・家族手当・役割手当で構成されていました。それを段階的に見直し、現在の制度に改定してきました。
また、定時スタッフの賃金は、2004年までは、春季交渉の結果が全員定額で反映されていたため、結果として勤続年数の長さに比例した内容になっていました。それを2005年度に現在の制度に改定しました。
フルタイムスタッフにとっては、生計費原則に基づく賃金体系との決別であり、定時スタッフにとっては、評価によって差がつく賃金体系の導入であり、それぞれにおいて葛藤があったと認識しています。
制度を改定する際、労働組合は、雇用形態別に無記名投票を行い、2/3以上の賛成をもって実施合意の可否を決しました。フルタイムスタッフにとっても、定時スタッフにとっても、制度改定を可決できたことは、均等待遇社会の実現に向けた第一歩として、また、「同一労働同一賃金」を実践していく上でも大きな一歩でした。

——法改正や賃金格差が大きな話題となる以前から、同一労働同一賃金に取り組まれている理由はなんでしょうか。

竹下:当時は経営上の問題などから、組織の運営において順調ではない面もありました。例えば、宅配の事業所では、常時欠員状態となっており、運営に著しく支障をきたしており、専門スタッフの入れ替わりが激しく、採用時研修やOJTの多くが蓄積されない状況となっていました。
退職が多いため職場の運営が安定せず、組織としてやりたいことが円滑にすすまない。せっかく人材を育成しても、やっていたことが途中で切れてしまう。人事の課題が組織運営の様々な場面に影響している状況でした。
自分たちが所属する組織として、将来どのような姿を求めていくのか。エフコープに関わる人の様々な意見と向き合ったことが、制度の変更につながったと考えています。

——人事制度を変えたことでどのような効果が得られましたか。

竹下:最も大きな効果が、離職率の減少です。人事制度の統合後、離職者が2006年度15%から2019年度7%へ減少しました。
職員の定着が進むにつれ、職場の運営体制が安定し、職場内でのさまざまな機能が徐々に回復し始めました。
商品利用者の満足度や職員の意識にも変化が現れはじめ、その結果、業績も好転させることができました。
中途採用者の採用力や定着率が向上し、年齢構成を改善させることができました。
2007年時点では、それまでの10数年間、新卒者の採用を抑えていたこともあり、35歳以下のスタッフが極めて少ないいびつな年齢構成となっていました。
スタッフの定着率の改善と採用力の向上により、新卒採用と中途採用の人数を計画的に増やすことができるようになったことで、計画的な役職の世代間継承・ジョブローテーションを進めることが可能となりました。

同一福利厚生の導入。キーワードは「納得性」

——同一労働同一賃金と合わせて、同一福利厚生にも取り組まれていると伺いました。いつ頃から取り組まれているのでしょうか。

竹下:同一労働同一賃金と同じく2008年です。雇用形態毎の福利厚生制度を整理しました。
形態を統一することで、賃金だけでなく、各種待遇を一本化しました。
エフコープでは、正規職員、非正規職員という呼び方をしていません。2008年以降の雇用形態については、フルタイムスタッフ、福祉事業専門スタッフ、定時スタッフ、アルバイター、登録型スタッフの5種類です。
フルタイムスタッフと福祉事業専門スタッフがいわゆる正社員の扱いで、7時間45分勤務です。定時スタッフは、一般的な言い方をすればパート職員。勤務時間や勤務日数が少ない職員です。アルバイターは「学生」「3か月以内の短期契約者」「週15時間未満の短時間契約者」に絞り込んでいます。
働く期間が限定的なアルバイターは除きますが、フルタイムスタッフ、福祉事業専門スタッフ、定時スタッフは、雇用形態や勤務時間に関わらず、福利厚生制度については、基本的には、同じ内容を適用しています。
差を設けることに合理性があるもののみ、差を設けています。例えば、永年勤続表彰制度では、勤続年数に応じて、連続休暇と表彰金を付与しています。休暇の付与日数は、雇用形態にかかわらず同じですが、表彰金の額については、永年勤続表彰の趣旨を踏まえ、フルタイム勤務と定時勤務で2:1の差を設けています。

——ベネフィット・ステーション導入も、当初から全職員が対象だったのでしょうか。

竹下:はい。導入当初から雇用形態に関わらず同じサービスを受けられる体制です。

ベネフィット・ステーションの導入

——ベネフィット・ステーション導入に至った背景や、導入前の福利厚生について教えてください。

吉村:慶弔見舞、忘新年会費の援助など、基本的な福利厚生は以前から変わっていませんが、ベネフィット・ステーション導入前は「ウィズサポート」という名前で親睦会活動の補助を行っていました。
スタッフ同士や家族の親睦・レクレーション活動に対し、年度に一回補助金を付与する内容です。概ね好評だったのですが、運営側としては事務手続きの煩雑さが課題として認識されていました。
ウィズサポートと併せて他社の福利厚生サービスを運用したこともありますが、当時はスマートフォンが普及していなかったことや、情報発信の不足もあり、利用率は低かったですね。

——ベネフィット・ステーション導入の決め手はなんでしょうか。

吉村:コストと事務手続きの簡易さです。サービス内容の幅の広さはもちろんですが、会報誌の有無の選択など、こちらの要望を細かく聞いてくださった上で、コストを削減できたのが決め手でした。

——導入時に大変だったことはありますか。

吉村:元々の福利厚生が好評だったこともあり、当初は反発がありました。以前に導入していた他社サービスが普及しなかったこともあり、利用しづらいのではないかという懸念があったようです。
普及率を高めるため、ログインを促す為の周知などの施策を行いました。

——導入していただき4年ですが、現在の評判はいかがでしょうか。

吉村:幅広い年代のスタッフが活用できる、紙媒体のサービスの評判がいいですね。ベネフィット・ステーション利用可能施設をまとめた紙媒体の配布をしたところ利用率が大幅に高まりました。
また、事務手続きが簡略化したことで、目的の一つだった運営側の労働コスト削減も達成できたと思います。

エフコープとしての今後の取り組み

——御協の取り組みは、実践的な働き方改革の例だと思いますが、成功に至った背景や理由を教えてください。

竹下:エフコープではユニオン・ショップ協定により、アルバイター、登録型スタッフを除いたスタッフ全員の労働組合への加入が義務付けられています。生協運動の発展とスタッフの労働諸条件の向上を前提とした安定的な労使関係を維持していく職場環境を整えたことは大きいと思います。
「働きやすい職場づくり」という目標に対して、一方的に運営側から指示するのではなく、理事会側と従業員側が意見交換を繰り返すことで、双方納得しながら改革を進められたことが功を奏したのではないかと考えています。

——福利厚生や働き方について、今後の課題や新たな試みなどあれば教えてください。

竹下:定年を70歳に引き上げたこともあり、従業員の働き方に対する考え方や価値観が大きく変わりつつあることを実感しています。
60歳以降も同一労働同一賃金、福利厚生制度の内容は変わりませんが、職務内容に応じた賃金として職務給のみで制度化しています。また、業務の再編・計画的な業務の世代間継承の必要性により、役割が事業の推進、マネージメントのサポート役に変化します。
外部環境をはじめ、仕事においても自身の立場や周囲との関係性が変化していく中、誇りをもって働き続けられる職場を創っていきたいと思います。

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